マンションの外壁塗装は一般の住宅と同様に考えていいのでしょうか?
塗料の目的は、本来、ファッションのように楽しむことよりも、建物の耐久性を高めることにあります。今回はマンション外壁塗装についての詳細を見ていきましょう。
マンションが外壁塗装すべき頻度と補修
マンションは、その建物の年数が経過してくるに従い建物は当然劣化してきますし、外壁の塗装も問題になってきます。マンションの外壁塗装は共用部品の壁や天井、床と同様に8~10年を目安に塗装を行いますが、ヒビ、サビが発生した場合はその時期に関わらず補修作業が必要になります。屋上防水に関しては5年に一度対応することで雨漏りを防ぐことができます。
新築マンション:
4~5年で鉄部塗装、防水塗装が必要。
築10年のマンション:
外壁塗装、防水塗装、鉄部塗装、シーリング打ち替えが必要。
築15年のマンション:
鉄部塗装、防水塗装が必要。
築20年のマンション:
外壁塗装、防水塗装、鉄部塗装、シーリング打ち替えが必要。
ですから、およそ5年ごとに補修作業が、10年ごとに外壁塗装が必要なのがわかります。
マンションの外壁塗装の価格の差
マンションの外壁塗装を行うにあたって価格に大きな差が出ることがあります。
それは、まともな業者が塗装する場合においても同様ですが、それは、塗料に何を用いるかで違ってくるからです。
5社に見積依頼をして一番安い業者に決定したとした場合、それでいいかと言うとそういうわけではありません。
なぜなら、塗料が同じ状態であるかどうかは確認していないからです。
また、使用する塗料が格安であれば、当然総見積価格は安くなりますし、耐久年数に大きな差が出ることを考慮に入れていないことが考えられるからです。
そういったことも含め、内容をよく確認しないと悪徳業者と優良業者の間では数百万円の差が発生することはよくある話なのです。
使用塗料と耐久年数の差
とても安価なアクリル系塗料から始まり、最も高額な光触媒塗料までいくつかの種類を、価格順に耐用年数で見ていきましょう。
<安価>~<高額>の順の耐用年数です。
アクリル系塗料⇒ 約4年
ウレタン系塗料⇒ 約6年
シリコン系塗料⇒ 約13年
断熱塗料、フッ素系塗料⇒ 約18年
光触媒塗料⇒ 約20年
現在はシリコン系塗料が一般的に多く使用されていて、耐用年数は、13年となっていますが、本来は10年に一度大規模に補修作業を行うのが建物にとっても金銭的にもコスパがいいものになります。
無足場工法
マンションの外壁気塗装は、どうしても平米単価が約600~800円の足場代がかかりますが、最近は足場を用いない「無足場工法」で対応する業者も登場しています。
よくビルの窓ガラスを拭く業者が「無足場工法」を用いているのでわかりやすいと思いますが、足場をかけなくてもできる、とされ重宝がられています。
今までは総額費用の約20~30%は足場代にかかっていたので、それを「無足場工法」にすることができれば、費用面では大きく違ってくるでしょう。
各業者により違いがあるので、「無足場工法」を対応しているかどうか確認してみてはいかがでしょうか。
工事に要する期間
◆シーリング、防水含む外壁塗装工事の期間
一般的に1~2か月。
一般的な住居とは違い日数はかかりますが、大規模なマンションでは、4か月ほど期間を要する場合もあります。
◆防水工事期間
おおよそ8~10日。
屋上防水は10年に1度の修繕塗装が、望ましいとされています。
マンションは、ベランダや屋上の防水工事がメインですが、一般住宅より日数はかかり、広い大規模マンションでは、防水工事だけで20~30日を要することもあります。
◆塗装の臭いに関して
塗装、および防水工事の際は臭いません、と言うと嘘になります。
ですが、最近の塗装は以前に比較して臭いを抑えたものになっていますので、耐えられないと言うほどではないにしても、非常に敏感体質な方も中にはいるはずですので事前の説明会ででも塗装工事会社からしっかり説明を受けるのが良いでしょう。
乾くと、2~3日で臭いは気にならないものになります。
外壁塗装工事を安くするために
何と言っても1社のみの見積で決めないことです。
複数の業者から見積をとって比較検討することで、適正価格で出している業者、悪徳業者の存在もわかるというものです。
ですが、高すぎることが問題ではなく、安すぎることも問題です。
安すぎる場合にも塗料に問題があったり手抜きがあったりなどが必ずあると思っていいでしょう。そこには何らかの理由があることをよく理解しておきましょう。
厳選された優良企業が正しい適正価格で対応する中でのサービスを受けるのと、内容が違うということです。
まとめ
劣化状況に合わせて様々な対策が必要になるマンションですが、ヒビがひどくなっているから対応する、劣化がひどくなったから補修する、というのではなく耐用年数に応じた時期に補修、外壁塗装などを行うことで建物はその後も耐久性を維持しやすくなります。